理容師・美容師の方は、ご存知かと思いますが、下記の通り、理容師法または美容師法にて理容所・美容所以外の場所における営業は禁止されています。
では、実際の記載をそれぞれ見てみましょう。
<理容師法>
理容師法
第六条の二 理容師は、理容所以外において、その業をしてはならない。但し、政令で定めるところにより、特別の事情がある場合には、理容所以外の場所においてその業を行うことができる。
<美容師法>
美容師法
(美容所以外の場所における営業の禁止)
第七条 美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない。ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、この限りでない。
いずれも、各条項の末尾に但し書きがあることにお気づきでしょうか。
この但し書きに当てはまる「特別の事情」に該当する場合にのみ営業が認められたものが、「出張理容」であり「出張美容」なのです。
では、「特別の事情」とはどんな場合でしょうか。
理容師法・理容師法で、それぞれ以下のように明記されています。
<理容師法施行令>
<理容師法施行令>
第四条 理容師が法第六条の二ただし書の規定により理容所以外の場所において業を行うことができる場合は、次のとおりとする。
一 疾病その他の理由により、理容所に来ることができない者に対して理容を行う場合
二 婚礼その他の儀式に参列する者に対してその儀式の直前に理容を行う場合
三 前二号のほか、都道府県(地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)又は特別区にあつては、市又は特別区)が条例で定める場合
<美容師法施行令>
<美容師法施行令>
第四条 美容師が法第七条ただし書の規定により美容所以外の場所において業を行うことができる場合は、次のとおりとする。
一 疾病その他の理由により、美容所に来ることができない者に対して美容を行う場合
二 婚礼その他の儀式に参列する者に対してその儀式の直前に美容を行う場合
三 前二号のほか、都道府県(地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)又は特別区にあつては、市又は特別区)が条例で定める場合
理容師法施行令・美容師法施行令それぞれに共通する、「疾病その他の理由により、美容所に来ることができない者に対して美容を行う場合」の解釈について、通知が発行されています。
(1)疾病の状態にある場合のほか、骨折、認知症、障害、寝たきり等の要介護状態にある等の状態にある者であって、その状態の程度や生活環境に鑑み、社会通念上、理容所又は美容所に来ることが困難であると認められるもの
(2)自宅等において、常時、家族である乳幼児の育児又は重度の要介護状態にある高齢者等の介護を行っている者であって、その他の家族の援助や行政等による育児又は介護サービスを利用することが困難であり、仮に、自宅等に育児又は介護を受けている家族を残して理容所又は美容所に行った場合には、当該家族の安全性を確保することが困難になると認められるもの
上記、理容師法施行令・美容師法施行令の他、各自治体による条例がありますので、各自治体の情報を確認してください。